今日も出会うジョンとポール

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 今日はビートルマニア御関心の一大ミステリー、伝説の7月6日だ。

 

 ジョン・レノンポール・マッカートニーが出会ったといわれる日付。

 ジョン所属のスキッフルバンド「クウォリーメン」の公演をポールが聞いていたということになっている。

 

 もちろん大多数の人間はこの決定的な瞬間を見逃した。居合わせたのは酔っ払った彼らの友人だけ。

 

 故にこの日付は非常に不確実なのだ。実際ビートルズ最初の公式伝記には6月15日と記載されているし。

 

 結局真実はないのだから我々は妄想するしかない。各々が不明な点を補い、矛盾を解決し(あるいは解決させないまま)空間自体を創ってゆく。

 

 ポール以外の観客の顔、植え込みの植物の種類。私の偽の記憶は細部まで克明だ。

 自分自体はその53年後の生まれだが時々、1957年7月6日には既に存在していたような気分になる。それほど通常の記憶の流れに溶け込んでいる。頭の片隅で超新星爆発を続けながら補完され、それの繰り返し。

 

 過去の事象は二度と手に入らないもの。歴史についての考え事は報われない。しかし極稀に本当らしい形跡を見つけることができる。漠然としたその時間を所有できたと感じる。これが楽しい。

 歴史を学ぶ理由というのは大方こういうところだろう。苦手教科だけど。

 

 そんなことより友達が欲しい。